国公立大医学生POWの医学講義!

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【東大2020数学解説速報】2020東大数学全部解説してみた!今年は難しかったのか!?

 

 

 

 

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ぽん。医学生POWです。今回は東大2020年度大学入試数学(理科)を解いてみました!普通にもう無理かなと思っていたけどまさかの全完だったので解説してみようと思います(ただ時間は30分オーバー位)。今年の傾向と感想もぜひ見てください!

CAUTION

 さて、解説を始める前に、受験生の方見たくないという方はここまでにしておきましょう!みてしまうともったいないですからね!意欲的な方は最初に問題を乗っけておくので解いてからよんでみるとわかりやすいかも!?

 あ、受験生の皆さんお疲れさまでした(いうの忘れてた)。

[:目次]

 

 

【0】今年の問題

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制限時間は150分です。

 

 

 

 

 

 

 

【1】解説

はじめに断っておきますが、今回は解説メインできちんとした解答はつけておりません。それらは大手予備校などの解答速報を見ればわかることですので、解説の最後にリンクを貼っておきます。私がどう考えて解いたかを中心に解説します!

なお、大問1と3は実況のみで、その他の問題は簡単な解答と実況を合わせたようにしております。

 

大問1

まずは問題を把握。

対称な不等式なのでやや難しい問題なのかなと思う。(1分)

 

 

 

 

しかし、二次不等式なので、基本は α <x< β か x< α 、β < xの形で持つので、それを三つ組み合わせてx>pになるっていうのはかなり特殊じゃないか?ひょっとしてあんまり対称性とか関係ないのかなと気づく (3分)

 

 

 

(1)示し方に苦心する。だがとりあえず二次の項の係数が負の場合は、解がないか上限が出てしまうことに気づき、そこに言及して背理法と対称性で示し終わる(10分)

 

 

(2)をみる。これが最も時間がかかる。x< α 、β < xの形で3つ組み合わせてx>pができないことを示す、、、でもこの組み合わせの取り方を示す子はできないし、、、

 

ここで問題点を整理すると

x< α のせいでx<p はとれないことがいいたい。

、、、あれ、x→ー∞でなりたたなくね?と。だからこれを説明してあげて終了(20分)

 

(3)ここまでくれば簡単です。結局a、b、cのどれかは0なので適当にc=0とします。ここから先は場合分けをひたすらしますが、a=b=0(すべて0)はとりえないことを先に述べ、各場合で不等式を解いてあげると確かにx>0となり、どの場合でもp=0が示されたのでこれで終了(30分)

 

以下が実際に書いた解答になります。注意点としては(2)の書き方として二次不等式の組み合わせではx>pを作り出せないよと言い切ってしまうのも本番は仕方がないかとは思いますが、あまりにざっくりしているうえに説明になっていないのであまり点は残らないかと思います(その説明の仕方を問うている問題なので)。ただし、(1)や(2)ができなくても(3)だけでも解ける((1)や(2)の結果自体は示したものとして使えばよい)ので比較的点数の取りやすい問題だったかと思います。

おそらく理科1類や理科2類の受験生はこの1問が合否に大きくかかわってくることでしょう。

 

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大問2 

 ここからは手で解説と実況をしていきます!

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という感じでした。発想としてはすごくシンプルですしそれほど解くのに苦労はしないと思います。これは本番でもおおくの受験生が点を取ることができたんじゃないでしょうか。しいて言えば別の形になることに気づかずorわすれてしまうと痛い失点になってしまうので気を付けましょう。

 

大問3

今回の試験の中でもっとも簡単です。ただ計算するだけで何の面白みもないので実況だけつけておきます。計算ミスだけ気を付けましょう。

 

問題文を読んで状況を理解する。これはただの計算問題じゃないかと疑う(2分)

 

 

(1)y(t)/x(t)を計算して微分するだけよね?計算して終了(5分)

 

 

 

(2)これも√x(t)²+y(t)² を計算して簡単な形にしてから微分するとt=1/2で導関数が0になるので増減表を書いて終了。(12分)

 

 

 

(3)まあ変な形じゃないよね?と思ってx(t)は単調増加は見てわかるのでだいたいのグラフの概形を書いておく。時計回りに引っかかりそうになるも、なんなくクリア。

 

 

原点から最も遠い点は(2)で求めたから、回転はこれを半径にとった90°分の扇形ともとの図形の面積を足し合わせたものなのでさっさとこれを計算。現役よりも計算力が圧倒的に低下しているがなんとかクリア(20分)

 

 

これに関しては本当に基本通りです。これが解けないと東大どころかどっかの医学部とかも合格できません、、、

 

大問4

 

一番の鬼門でした。間違いなく捨て問でしょうが、演習としてはもっとも面白く、教授陣もこれにどうこたえてくるか楽しみだったんではないでしょうか。f:id:Pow_medical_kougi:20200227121935p:plain

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こんな感じでした。なんやかんや一時間かかりましたが、それほど突拍子のない発想はあまりなく、論理的に解けたのではないかと思います。なお解答ではないのでΣの両端の些細な部分はそのままΣの中に入れてしまいました。本番ではきちんとくくりだして言及するのが無難でしょうが。これが時間内に解けた方は数学だけで言えば東大トップクラスでしょう。

 

大問5

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これは一見よくある形で簡単そうで、実は難し、、、そうにみえて解いたら簡単でしたパターンでした。こちらもなかなか本番の重圧の中では手を出しにくい部分があるのでこれを完答した方はおおきくリードできたことでしょう。得点できなくても即落ちということにはなりませんが、理三を受けた方はぜひとっておきたい一問ですね。

 

注意点としてはpが円錐内すべ手を動いてしまうということ。ふだんなら平面上を動くのでパラメータも2個で済むのですが、3次元的に動くと3つのパラメータが必要になり、式として処理するのはできなくなってしまいます。しかし、円錐というのは円板の積み重なりですので、そのイメージがあれば(1)で考えたものを繰り返して行えばよく、すると結局Tの境界としてはSの底面にPがあるときの線分APとS自身の断面となります。あいだは連続するので埋まっていることに気を付けると、計算はめちゃくちゃ簡単な問題となります。イメージと経験値が差を分けた問題ですかね。

 

大問6

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最後結論が抜けていて申し訳ありません。

   よってt=1/2のときはすべてのφで成り立つわけではないのでr>1/2の

   ときは成り立たない。したがって最大値はr=1/2

 

となります。

 

これもなかなk手のつけにくい問題ではありますが、解答の発想としては割とシンプルです。(1)では微分して増減表が一般的な流れですが̪sinはあまり値が求まりにくいので相性が悪いです。これと少なくとも4個に違和感があればそんな厳密じゃなくていいならわかる点を求めれば簡単にわかるかなという感じです。(2)では(1)を念頭にしていくと、PとQはθとφなどで表す設定方法をとるべきでしょう。そのあとは直行する条件から(1)の形を導きます。このあとはr=1/2で最大値をとることは簡単に予想月金子がこれを示すのがしんどいです。

この場合では、解説にも書きましたが、0<t<rをみたすすべてのtとすべての実数φ((1)で限定していないのでそうしていませんが、別に0≦ φ <2πとしてもいいですとにかくすべてのPがあらわされてればOK)で成り立つQが4つあればよいという条件に立ち戻れば、どこかで成り立たないものを求めればいいのかなと気づけるかですね。あとはr>1/2で成り立たないことからも、またsinがふつうに求まるのってそう多くないのでt=1/2でなりたたないようなφを見つけてあげます。これは単にグラフを書いて予想すればいいです。おそらくsin2θがπ/4で最大値をとるのに合わせてsin(θ-φ)も最大値が来れば、ちょうど山をはさんで交点を2個もっていたのがかさなって接点になるかなと思いました。これ以外もあるかと思います。

 

ですが実際には捨てでしょう。理三受験生は(1)ぐらいはとっておきたいですね

 

よりはっきりした解答はこちらを参照ください

河合塾

https://kaisoku.kawai-juku.ac.jp/nyushi/honshi/20/t01.html

代ゼミ

https://sokuho.yozemi.ac.jp/sokuho/k_mondaitokaitou/1/1313355_5340.html

 

【2】 講評

大手予備校では難化となっていましたが、あまり難易度の変化ははっきりとはわかりませんでした。手の付ける問題がわかりにくく、とっつきにくいですが、問うてることは基本的だなあというのが率直な感想です。しかし、問題文が正確に読み取れなかったり、計算ミスや勘違いを起こしてしまうとかなり難しいと思います。ただボリュームは多めで、瞬殺できる問題はなかったので時間との闘いかと思います。

 

また、私の解答でもたびたびおこなわれていますが、難問を解くコツは

  ✓問題文の表現や違和感に注目する

  ✓問題の流れをよんで展開を予想したり前問との解法の違いを意識する

  ✓詰まってしまったらどこにどんな問題があって詰まっているのかを考える

この三点がきちんとできていれば難問でも(時間さえかければ)解けます。これを特に意識するようにしましょう。

 

難易度は以下の通りです。大学への数学と同じくらいの評価基準です。目標解答時間を右に付しておきました。

大問1   B   25分

大問2   B   25分

大問3   B   20分 

大問4   C⁺    60分

大問5   C   30分

大問6   C   30分

        計190分

 

理科一類、二類目標完答数  3(大問1、2、3)

理科三類          4(大問1、2、3、5)+大問4(1)、大問6(1)

でしょう。

 

現役の時は4完でしたが、まさかのだいぶ時間がたってから解くと(じかんはややオーバーしましたが)全完できたことには少し驚きました。定石しか覚えていない人にはつらい、思考力がよく試されるよい問題構成だったと思います。そんな私がおすすめする勉強法は

 

pow-medical-kougi.hatenablog.com

 

 

pow-medical-kougi.hatenablog.com

 

の記事に書いておきましたのでこちらもあわせてご覧になってみてください

 

ちゃお~