国公立大医学生POWの医学講義!

医学や医学生の生活・受験相談などを中心に記事に書きます!

【医学部受験生必見!】医学生が伝えたい!「なぜ君は医学部を受けるのか!?」医学部を受験する前に知っておいてほしいこと

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受験生っぽい???




ぽん。国公立大医学部生のPOWです!今回は受験生が触れてほしくない!なぜ私は医学部を受けるのか問題について僕の受験生時代の経験と医学部はいってからの本音を大暴露してしまいます!!

 

 

[:目次]

  1. 医学部入って最初に受けた衝撃の授業!!
  2. きみはなぜ医学部を受けるのか? 
  3. 医学生となった今思う、医学部ってこんなところ!?

 

【1】 医学部入って最初に受けた衝撃の授業!!

今や大大大医学部ブームとなっている受験界ですが、おそらく読者の中には「はっきりした理由はないけどとりあえず医学部。。。」という方もいらっしゃるかもしれません。はい。特に医学部を志望している方、胸に手を当てて考えてください!

 

 

 

 

 

 

 

あれ?なんで俺/私 医学部入りたかったんだっけ?って思わなかった??

 

 

いや、こういっちゃなんなんですが、、正直医学部を志すのなんてそんなたいそうな理由はいりません!僕の大学では入学して一番初めの授業で、OBの偉い先生がきて最初に学生に問いただしました。「皆さんはどんな理由で医学部に来たのか。卒業してどうなりたいか。」と。当然、「人の命を救います!」「家族が苦しんだ病気で、今苦しでいる大勢の患者さんを救いたいです!」などと答えます。いや、全うですよね。医学生の鏡やなあと思っていたら、先生はあろうことか

「君たちは本当にそんな理由で医学部に来たのか?正直にいっていいよ!金か!?」

といってしまいました(笑)

 

しかも先生は、こう続けたんです。「みんなは医学部に当然、医師免許を取るために入学しているはずだが、医師免許ってこの世で一番の保険だって考えられないか。だから、別に医師になって金を稼ぐことは悪いことではない。卒業して免許だけ取って別に医者にならなくてもいい。自分のやりたいこと、ミュージシャンとか経営者とかやればいい。失敗しても俺達には医師免許があるんだから大丈夫!!」って。

 

、、、教室内は最初こそみんな笑っていたものの徐々に静かになり、真剣なまなざしを向け始めました。あらためて先生は将来何をしたいかと尋ねました。

 

するとあれだけ医学に崇高な志を抱いていた学生が「お金が欲しい」「趣味に興じたい」挙句の果てには「僕は医者には向いていないので芸術家になりたいです」なんて言うやつもいました。しかし、それをただ笑い飛ばして聞く学生はもう一人もいなくなっていました。

つまり先生が何を言いたかったかというと、医師免許に必ずしもこだわる必要はないよ!自分のやりたいことをやろう!ということなんですね。

 

その先生は研究医をされていました。それも基礎研究です。基礎研究というのは、実は医師でなくてもできちゃうわけですね。だから、逆に卒業に6年もかかってしまう医学部よりも理学部などで生物系の学科を出て研究に入れば4年で済むわけです。だから基礎研究に入るというのは少し遠回りになってしまうのです(しかも研修医も経ようとしたらプラス2年!)。この数年は研究をするうえで非常に大きな差となってしまいます。では医師免許を持った学者になるメリットって何?ていう話なんですね。それが冒頭に話した、“保険”という感じなんです。

 

✓医師免許は自分のやりたいことへの“保険”

 

【2】 きみはなぜ医学部を受けるのか

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こんなことをいつかするんですねえ

もちろん純粋に人の命を救いたい方もいらっしゃると思います。しかし、受験界全体で言うと、医学部偏重の傾向となっており、残念ながら、医学部人気はとどまるところを知りません。

医学部受験ではよく面接が課されますが、そこではよくお決まりの質問である「あなたはどうして医学部を志望したんですか」というのがあります。これに対する"模範解答”として

 

僕が高校生の頃、家族が病気(怪我パターンもある)にかかってしまいました。病気の前では無力な自分に気づき、ほかに同じような苦しみを味わっている人を少しでも救いたい。そう思うようになりました。

 

という一般的な理由を考えます。かくいう僕も実際の面接ではそう答えました。しかし、どちらかといえば多くの受験生はこう、答えさせられているのです。

ではなぜ彼らはそう答えなければならないのでしょうか。

 

それは世間一般のイメージが医者たるものかくあるべしという理想を押し付けているからなのです。

 

日本人は特にドラマチックな展開が大好きです。病気やケガで苦しむ家族。それをみた学生は自分が治すべく医師を志す。涙なしには語れない、医療ドラマの出来上がりですよね。ですが実際には医師だって1職業にすぎませんよね(当然、命を扱う大事な職業ではありますが)。だから医者は別にスーパーマンでもなければ万能でもないのです。しかし、ふつう誰だって適当なお医者さんには掛かりたくありません。だから風潮としてそういった雰囲気が出来上がってしまうわけですね。

 

 別に面接で言わなくたっていいです。ただ、医学部に入り、医学部を卒業して、その後どうなりたいのか、それを受験生の間に考えておくことが非常に大事です。

というのも、たまにいるんです(僕の友達にもいます)。なんで医学部入ったのか分からなくなったっていう人が。もちろん入ってみなければわからないし、入ってみれば意外と大したことないし、入ってからはほかの大学と同じように(それ以上?)遊ぶと思います。

でも、受験生の間に考えたことがある人は芯がぶれません。よく日本の受験生が言われがちなことですが、苦労して入学した大学で何がしたいかわからず自分を見失ってしまう人がやはりいます。別に世間的な“立派な”理由にこだわらず自分なりの入る理由を持ちましょう。そうすれば高い壁も乗り越えられるでしょう。

 

✓自分なりの医学部に入る理由を考えよう!

 

【3】 医学生となった今思う、医学部ってこんなところ!?

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医学生となっておよそ2年が経過しますが、他学部に進んだ友達と比較したり、実際に入学して感じた医学部ってこんなところなんだという話をしたいと思います。

✓医学部は医者への片道切符

さあ、いきなり最初と矛盾しています(笑) これは一般的な話ですが、やはり基本的には医学部に入るということは医師免許をうけ、研修医という期間を経て医者になる、いわば職業訓練学校なのですね。だからこそ、基本的には医者にかかわること、医学が最優先で叩き込まれます(6年でも教わることができるのは医学全体からしたら小さいです)。だから他の職業のように転職というのは難しいです。つまり、医学部に入学したら良くも悪くも医学に邁進しなければなりません。はいってからやりたいことが違っていて本当に耐えられない、、むりだとなってしまってもなまじ医師の職業柄なかなか変えにくいのが現状です。そういった意味でも医師を目指すというのは動機はともかく働いている将来の自分を想像するのが大切かなと思います。

 

✓医学部は忙しいって本当?

これは本当に大学と学年によります。特に国公立か私大かで大きく異なります。大きく言うと私大では進級が基本的に厳しかったり、国公立ではある程度緩かったりします。しかし同じ国公立、私大でもかなり差があるので志望校がどのような様子なのかは先輩などに聞くといいと思います!

僕の話をすれば、そりゃあほかの大学よりは忙しいですが、普通に楽しいし、職業訓練学校なだけあって逆に将来につながる勉強しかしていないので勉強のモチベも保てて一石二鳥です!

 

✓医学部はコミュニティが狭いって聞くんだど?

これよく聞きますよね。医学部は人間関係が狭いと。総合大学の医学部ならまだしも単科大学はめちゃくちゃ狭いぞと。これについては賛否両論あるかと思いますが、僕は逆に医学部でちょうどよかったなと思います。大学入るとわかることですが、知らない人がいすぎて逆に友達ができず、病んじゃったりする人もいます。僕にとっては100人前後の医学科はひとつの大きなクラスのようで、多すぎず少なすぎずちょうどあっているなあと思いました。結局、総合大学行っても友達といえる人ってそんな多くないですし、クラスが存在する大学の1クラスよりも多い人数なのでコミュニティが狭すぎるということはありません。だから高校と程よく似ていて程よく大学っぽいという意味では過ごしやすい環境かもしれませんね。

面白いのは総合大学だと逆にキャンパスが他学部から隔離されていて医学科と少ししかいない大学もあれば、単科大学だけど学科がいっぱいあって人数もそこそこいるみたいな場合もあってけっこう大学によりきりです。

 

長くなってしまいましたが、まとめ!

  • 医師免許は自分のやりたいことへの“保険”

  •  自分なりの医学部に入る理由を考えよう!

この二つが受験生の君に送りたかった言葉です!最後まで読んでくれてありがとう!

 

ちゃお~